Dr.しゅん の しゅんじゅわークリニック

ようこそ、しゅんじゅわークリニックへ。Dr.しゅんです。標榜科はゲス科で、たまにおさわりを中心とした心療内科、精神科の治療も行っております。ゲス具合が酷くて心身の健康が損なわれている方への暖かい援助をしていきたいと思っております。喉が痛い?そういうのはちょっとよく分からないですね。 twitterやってます。@Drshunshu

症例6 Peing 質問者Cさん -会話の成立しない夫についてー その②

 前回の続きです。

その①ではASD(自閉症スペクトラム)について解説しました。

 

 

drshunshu.hatenablog.com

 

 

 

 

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これも前回もお伝えしましたが、基本的にメンタル系で困っていることはとりあえず病院に相談はアリです。その際に病気であるかどうかは関係なくその判断も含めて病院に相談するのは解決の糸口になる可能性はあります。もちろん受診した上でどうしようもない…ということもありますが、少なくとも医学的に改善の余地があるかどうかは分かるでしょう。

その際はまずは受診前に電話で「~~といった相談をしたいのだけどそちらで対応してもらえますか?」と聞いてもらうとよりよいです。設備や専門性の問題でそこでは対応できないこともありますが、それなりに親切であればどういった医療機関が適切かなど教えてくれるかと思います。

 

ただ一つ心配ではあるのが、医師は疾患や薬のことは勉強しても、生活改善のための適切な支援の方法については医学部のカリキュラムでは学んでいないということです。

 

例えばアメリカでは精神科医になるに際して標準的な面接法などを学ぶ機会があるようなのですが、日本では特にそういったものを全員が学ぶ機会はありません。ほぼ個人の能力・独学に委ねられていると言っていい状態です。

 

それに認知療法や生活支援といったものはどうしても診察時間を食うので忙しい先生には敬遠されることもあります。なので医師がそもそも適切な支援ができるか」という問題と、更にできたとしてそれをしてくれるか」という問題があります。

先生も外来でこの辺の治療や話をすると平気で診察が1時間を超えてくるので…正直他へ仕事へのしわ寄せはかなり大きいです。

 

今は医療費削減の波で病院経営も楽ではなくなってきているので、どの病院も生き残りをかけてしのぎを削っています。例えばカウンセリングは診療報酬の設定がないので、自費にしているところ以外はタダでやってるようなものです。そんな状態ですので対価に合わないものにエネルギーを割く余裕はない病院・先生方の気持ちも分かります。

 

 

 

精神科は身体科と違って標準化が難しいのでガイドラインのようにこれが正解!みたいなのがないに等しくて、また医師ー患者間の相性・信頼関係も身体科より重要になります。

外科であれば人間的な相性は最悪でも手術が上手ければいい医師と言えるでしょうが、精神科で相性が最悪だったら信頼関係の構築はまあ無理ですよね…。

 

要するに精神科は能力的にも相性的にも医師の当たり外れが大きいのです。人当たりが良くて勉強熱心な先生は診察時間も長くなるし、かかりつけの患者も増えてますます予約も時間も取れなくなるし…とその辺の難しさがあります。

 

なので一回かかった病院が合わなかった可能性もあるので、別の病院に行くと解決の糸口が見えることもあります。

正直自分が患者でもこの先生には診てほしくないなあ…と思う精神科医もぼちぼちいます…。仕方ないけど標準化が難しい精神医学の分野はほんと無法地帯なので…レベルはピンキリです。

ただ厳しいことを言う先生が悪いとも限らなくてですね…ほんとここは難しいです。

 

 

なのでもし本当に迷ったときには一回病院に相談してみてください。そして自分でも勉強してみて、疑問があれば医師にぶつけてみてください。ちゃんとした先生なら(その時の忙しさにもよりますが)きちんと返してくれるはずです。そこで「患者が質問するんじゃない」みたいな態度の医師はヤブで良いと思いますし、それでも納得できないなら他の医師にも意見を聞いてみてください。

正直これは精神科医サイドとしては負担が増えるので苦しいところなんですが、やっぱり治療というか支援がハマった時は大きく改善するので、頑張りどころかなとも思うんですよね。

 

という今回もとてもまっとうな話でした。先生の外来は忙しいので説明はちゃんとしますがおっぱいくらいは触らせてもらいます。

 

症例6 Peing 質問者Cさん -会話の成立しない夫についてー その①

 

こんにちは、Dr.しゅんです。

 

次の質問です。

お困り系の質問は早めに返信していきましょう。

 

 

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これは前回の質問者Bさんと同じなのか…同じ気がしますけど…どうでしょうか?

ツイートではまずは自閉症スペクトラムを調べて当てはまるか検討してみてください、と答えました。

自閉症スペクトラム(以下ASD)はDSM-5というアメリカの精神疾患・障害の分類マニュアルでは以下のA~Dを満たすものと定義されています。

 

 

 

A:社会的コミュニケーションおよび相互関係における持続的障害
1.社会的・情緒的な相互関係の障害 
2.他者との交流に用いられる非言語的コミュニケーションの障害。
3.年齢相応の対人関係性の発達や維持の障害

B:限定された反復する様式の行動、興味、活動
1.常同的で反復的な運動動作や物体の使用、あるいは話し方
2.同一性へのこだわり、日常動作への融通の効かない執着、言語・非言語上の儀式的な行動パターン
3.集中度・焦点づけが異常に強くて限定的であり、固定された興味がある
4.感覚入力に対する敏感性あるいは鈍感性、あるいは感覚に関する環境に対する普通以上の関心

C:症状は発達早期の段階で必ず出現するが、後になって明らかになるものもある。 

D:症状は社会や職業その他の重要な機能に重大な障害を引き起こしている。

 

 

まあ簡単に言えば 空気が読めない人 ですね。アスペルガー障害とか高機能自閉症とか色々呼ばれていたものをまとめてASDと呼ぶことになりました。これは一つの概念で説明できるというか、すべきものだと思うのでいい変化だと思います。

空気を読むというのは実はなかなか高等な能力でして…子どもは大人より苦手ですよね、忖度的なのは。場の空気を読んで「ここは泣き止んだ方がよさそうだ…」とか思って泣き止むとかね。

 

 

これは知能と一緒で徐々に発達していく能力なんです。知能言語化できる情報処理の能力』、そして情緒言語化できない情報処理の能力』と捉えることができます。ここ大事!!そして一般的に情緒的な能力は女性の方が高いです。

 

 

これがどちらも同じくらいのスピードで平均近くまで発達していくのがいわゆる『定型発達』の人たちですが、情緒の発達が上手く進まない人ASDと呼んでいると理解してもらうといいと思います。

 

そしてDSM-5になってスペクトラムという単語が新たに入ってるんですが、これはその程度には幅があるよ、という意味でして、ASD特性は軽い人から重い人までいて0か100かではないよ、みんな多少なりともその要素は持ってるんだよ、ということです。

スペクトラムという扱いになることで病名(病気ではないんですが便宜上ね)への抵抗が少しでも和らぐ、という効果もあると思います。

自閉症という単語のイメージから受け入れたくない、特に自分の子どもはそんな病気なんかじゃない!という気持ちからASDを薄々感じながらも支援を受けない家族は多くいます。そこで「病気じゃないし、みんな持ってる特性なんだよ」と捉えることで少しでも心理的抵抗が和らぐといいなと思います。

否定して見ないふりをしても特性は実際にあるわけですし困っていることが解決することはないので、必要な支援はぜひ受けて、本人の生活上の苦痛を和らげて欲しいですね。

 

 

 

ASDの人は表情から気持ちを汲むとか、言葉の真意とか行間を読むことが苦手ですし、自身の感情表出も独特です。一般的に人は ”自分だったらどう感じるか” で善悪を判断するので、会話は最低限の情報伝達でよいと思っている人に「じっくり話を聞いてほしい気持ちくらい分かるでしょ?」と言っても(実感としては)分かりません。そういった人たちは会話がなくても本当に困らないし苦痛でもないんですから。

 

とある夫婦は奥さんが「子どもを見ててね」と言ったら旦那さんは子どもが転んでケガするのを言われた通りじっと眺めていて、旦那さんとしては『え、言われた通り見てたけど何がいけないの…?』と困惑していました。

旦那さんは知能は正常なので転ぶ予測ができていないわけではなくて、恐らく『転んでも死にはしないから手を出す必要はない』という判断をした上での静観だったと思われますが、奥さんからしてみたら何一つ任せられない!!ということになって夫婦間の仲は険悪になってしまいます。

 

これはもう熱意とか常識ではなくて能力の問題なので、奥さん側も「普通考えたら分かるだろ!」というのは旦那さんからしたら正直ムチャな要求でして…数学が苦手でどこが分かってないかも分からない女性にともかく自分で考えてみろという男性みたいなもので、もうその度に正解を教えて半ば暗記で数学を解けるようになるように育てるしかありません…。

 

言語化されれば理解することは可能なので、「話しかけられたらとりあえず『うん』と返事をする」など少しずつ共有するルールを作っていくことが必要です。

そんなところから?と思うかもですが、がっつりASDの人は「辛そうにしていたら労わった方がよい」とか言われてもどんな時が辛いの?、労わるってどうするの?(´_ゝ`)ってレベルですからね、言語化しない限り伝わらないので、少しでも曖昧なルールは結局適応できません。プログラミングだと思ってもらうといいかな…。

 

ASDに関してはAQテストという簡易検査があるんですが、現在は診療報酬に反映されるためか公開されておらず、病院を受診しないと受けることができません

AQテストをせずとも参考になる本がたくさんありますので、一度本を読んでみるとその特徴や周囲の対応なども書いてあります。

 

自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体』↓

ネット中毒、オタクになる原因はこれ? 「生きづらさ」の正体とは | ダ・ヴィンチニュース

 

著者の本田秀夫先生は発達障害に関して有名な精神科医ですし、これは内容も妥当だと思います。ネットもそうですが、書籍でも中にはこれは電波系かな?というものも含まれてますので、必ず自分で目を通して医学的妥当性を保てているものだけを勧めています…。

 

 長くなりましたので後半に続きます。

 

症例5 Peing 質問者Bさん ー子育て奮闘ママのイライラについてー

 どうも、Dr.しゅんです。世間は三連休ですが先生は人混みも汗だくも嫌でござるなので病院にカンヅメでブログかTwitterに勤しんでいるわけです。決して連休がうらやましくなんかないです。強がってないし涙目でもないです。夏休みはめでたく丸一日もらえるみたいなので悔しくないです。

 

さて少し前に受けた質問です。

 

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これに対してまずは精神的不調の原因はざっくり

①脳の中のせい

②環境のせい 

の二つがありますよーというところをツイートでは説明しました。

 

 

怒りっぽくなっているのがどちらの影響なのか次第で、①であればお薬が必要ですし、②であれば環境をどうにかするのが優先です。

 

①では例えば抗うつ薬気分安定薬抗不安薬といった薬が選択肢になるでしょうが、大事なのはこれはイライラや不安を全く感じなくなる薬ではない!ということです。

 

薬でできることはせいぜい『イベントやストレスに対して一般的な反応をする人になるところまでです。例えばワンオペ育児・家事やモラハラ旦那さんなど、正常な人でもイライラするであろうことであれば、薬を飲んでもイライラします

鎮静が強い薬をがっつり飲めばイライラも感じなくなるかもですが、恐らく全てのことに反応が鈍くなって本末転倒になります。

なのでストレスへの反応が過剰なせいで辛い人には薬が効く可能性があります。これにはうつ病躁うつ病パニック障害、不安神経症などが含まれます。周囲や普段の自分と比べてストレスへの反応が強すぎる、と感じられたら内服を検討してもいいかもですね。

なので質問者さんが内服が有効かと言われると…診察してみないと分からないところです。

あと好きな自分になれるかは、強すぎるイライラが治まった結果として好きになれる可能性はありますが、薬自体に自分を好きになる効果はありません。もしあったとしたらそれは躁転(躁状態になること)の可能性が高いですので治療しましょう…。そこは別問題と考えた方がいいでしょう。

 

 

そして②ですけど、恐らく質問者さんはこちらの方が大事ではないかと思います。

恐らく子供さんも小さくて、旦那さんも協力的ではない中で孤軍奮闘しているのではないでしょうか?①の有無にかかわらずきっと誰でも音を上げたくなるような過酷な環境にいるのではないかと想像します。

 

社会的要因は詳細に生活状況を聞かないと具体的なアドバイスは難しいですが、本人の改善点としては「全て100点でなければ…という思考の人には家事育児は60点でよしとしてどこをどう手を抜くかを一緒に考える」などすることはあります。

 

あとは行政が相談窓口含め色んな子育て支援をしており、自治体オリジナルの支援などもあるのでこのようなサイトも活用して、使えるものは全部使ってやるぞ!という気概で臨んでみてください。こういった支援は自分から探していかないと向こうからはなかなかアプローチが難しいので調べたもん勝ちです。

 

www.gov-online.go.jp

 

特別旦那さんや子どもさんが関わりが難しいと感じている場合は発達障害なども隠れているかもしれません。試しに一度病院に相談してみると問題点が整理できてあわよくば改善できる可能性もあるので悪くないと思います。

 

精神科・心療内科はですね、別に病気じゃなくてもかかっていいんですよ。先生は精神科・心療内科は『生活上困ったことを解決する手伝いの仕事』だと思ってます。

例えば発達障害は病気じゃなくて特性です。なので治療するとかいうものではなくて、~病じゃなくて~障害って名前になってるんです。でも困ることも多々あるから取り扱っているだけで、病気かどうかは受診の必要性の有無には関係ないです。

 

具体的な情報があればまたアドバイスのしようもあるかもですので聞いてください。

質問者さんが今後少しでも過ごしやすくなることを祈ってます。

 

症例4 Peing 質問者Aさん ー不調になった恋人未満の人への関わりについてー

今回はPeing 質問者Aさんからの質問に答えてみたいと思います。

 

 

 

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えーと、そもそも適応障害とはどんなものなのでしょうか?

実は精神科疾患ではICDとDSMという国際的な診断基準が大きく二つありまして、一応診断といえばどちらかを使っています。今回はICDの方の適応障害を見てみましょう。

 

ざっくり言うと

抑うつ、不安、心配、現状への対処・計画・日課遂行の障害などの多彩な症状がストレスの多い出来事、あるいは生活の変化から1か月以内に発症し、症状の持続は6か月を超えない。実際の出来事・状況・あるいは生活上の危機なしには障害は起こらなかったという証拠が必要』

 

といったところですね。

 

ちょっと分かりにくいのでしゅん先生の定義でいきます。

適応障害は『うつっぽいけど抗うつ薬は飲まなくてもOK!環境を改善すれば元気になるよ!』状態です。 

抗うつ薬は脳の中をいい感じに調整してくれるものなので、それが効くということは脳の中にも異常が出てきているということです。それがいらないので、あくまで置かれている環境が良くないんですよ、ということ。

なので一番の治療は基本的には環境を改善することです。仕事が忙しすぎたら業務量を減らしてもらったり休んでもらったり、人間関係だったら先生は少し介入することもありますし、睡眠薬などを追加することもあります。

ただし症状としては抑うつ気分、不眠、不安など基本的にはうつと一緒なので、抗うつ薬を使うかの違い以外は、基本的に周囲はうつの人に準じた対応でよいです。

 

うつでは意欲が落ちて仕事など『しなければならないけどしんどいこと』ができなくなりますが、その先には『今まで楽しめていたこと』も楽しめなくなるアンヘドニアという症状も出てきます。

アンヘドニア改善→意欲改善となるのが一般的なので、まずは『今まで楽しめていたことを楽しいと思えること』が最初の目標ですね。

ただこの楽しいと思えることはあくまで本人目線でですので、いくら周囲が楽しませよう!と思って強引に飲み会に誘ってわいわいしても、本人がしたいことでなければ疲れるだけでマイナスです。なのでこの匙加減はけっこう難しい。

 

 

ある偉い先生が『精神科医”杖”である』と言っています。勝手に病院まで運んで治療してくれる”救急隊”ではないんですね。これは精神科医療スタッフに限らず家族や支援者全般にも言えますが、あくまで歩いていくのは患者さん本人なんです。

 

患者さんには登らないといけない山があって、我々支援者は歩くのを支えたり励ましたり正しい道を示すことはできるけど、歩くこと自体は代わってあげることはできない。

本人を置き去りにして周囲だけで治療を終わらせることはできないんです。

 

 

ここでAさんの対応は過度に干渉しすぎず、暖かく見守るような対応でとても良いのではないかと思います。

ただしなかなか改善しない本人をただ待つしかないのは支援者としても辛いものがあります。ましてや恋人未満の宙ぶらりんの状態でどこまで待てるか…

 

 

男性は一般的ににプライドが高く弱みを見せることが苦手な傾向があり、女性のように愚痴を吐いて共感してもらってスッキリする、というのがとても苦手です。

うつ自体は女性に多いですが自殺率は圧倒的に男性が多いです。

 

なのでこの本人さんもAさんにうまく弱いところを見せたくないから敢えて距離を取っている、自己防衛のような印象はあります。ただそれを指摘して、さあ弱みをさらしていいんだよ?と言われてすぐできるかというと…それも難しそうです。

 

するとすればオープンクエスチョン(『何かきついことがあったの?』など自由に返答できる質問)で聞くのではなくて、ある程度当たりをつけてクローズドクエスチョン(『上司の〇〇さんとうまくいってないんじゃない?』などYES・NOで答えられる質問)で話を切り出させ、話すことで何らかの本人の状態の改善を自覚させられれば、『Aさんに弱みをさらす→よくなる』と思ってもらえるかもしれませんが…男性のプライドを穏便に崩すのはなかなか簡単ではありません…。

 

 

とりあえず今までのAさんの対応はそれで十分支持的だと思います。あとは今後どうやっていくか。

 

どの道を選ばないといけないという正解はありません。大事なのは自分に必要な選択を、自分で考えて選び取るということです。

 

いたずらに時間が過ぎるリスクを負ってでも改善を願って待つもよし、できるところまで頑張ったら次の恋愛に進むもよし。

 

ここで気を付けるべきは、「たとえ支援から離れても自分を責める必要はない」ということです。

ここで離れてしまうのは弱った人を見捨てるみたいで良心が咎めるかもしれませんが、あくまで我々は杖です。この比喩が示すもう一つ重要なことは、「我々はできる範囲の支援しかできないし、しない」べきであるということです。誰であろうと、進まない本人を背負って代わりに歩いていくことはできません。我々精神科医もどこまで支援できるかという限界設定をしています。

恋人でもないのに自分の人生を犠牲にしてまで待ってくれているAさんがいないと維持できないならばそれは改善したとは言えませんし、ゴールではありません。

なのであくまでAさんは自分の人生を維持できる範囲で支えることが重要で、自分の心身の健康を維持できないレベルで支えるのは双方にとってよくないことです。

 

自分にとって最善の選択をしっかり考え、できる限界を決めた上で、無理のない支援をしていってもらえたら、と思います。

 

 

症例3 40代女性 スピリチュアル言霊最優先おばさん その②

 

お久しぶりです、Dr.しゅんです。

 

更新が久しぶりになってしまいました。考えていることをまとまった形で、論理的整合性や構成なども考えて文章にするのはなかなかエネルギーを食いますね…

しかも医療的見解を踏まえるとなると間違ったことも書けないというプレッシャーもあります。おっぱいとかちょっと簡単には言えませんよね…はぁ…おっぱい…。

 

ただ精神科はいろんな誤解があったり、こうしたらいいのに…と思うことが多々ある分野でもあります。質問箱にも質問いただいているので、きちんと読んだ甲斐のある記事を更新していきたいと思います。気長にお待ちいただければ幸いです。

 

 

 

↓前回記事はこちらです。

drshunshu.hatenablog.com

 

 

今回の相談者は30代女性、結婚したての夫に手酷い、舐め切ったような浮気をされ、すっかり傷心して地元に帰ってきていました。

夫の不貞のせいで食事も取れず夜も寝つけず、夫を呪う気持ちと自分にも落ち度があったのかと思い悩みもう死にたい…とまで思いながら泣き暮らす日々です。

ほんとにむかつくむかつく…出張先で〇ねばいいのに」「どうやってSATSUGAIするか考えるときだけ救われる」なんて考えますが、言霊を大事にするおばさんに『汚い言葉を吐くと自分に返ってくるよ』と言われてどうしたらいいか分からなくなります。

 

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ごっちゃになりがちですが、感情思考は明確に区別する必要があります。平たく言えば感情は理屈で説明できない部分、思考は理屈で説明できる部分です。
この場合は『ぶっ〇してやりたいくらい憎い気持ち』が感情で、『不倫の報復としてSATSUGAIは妥当か否か…?』が思考です。
 


感情は論理的思考を経ないで湧き上がってくるものなので、発生自体を止めることはできません

お化け屋敷が怖いと言っている人に「怖いと思わなければいいんだよ!(≧▽≦)」と言っているレベルには言霊おばさんはムチャ振りです。
 


思考&その先の行動に関してはルールも必要ですが、 感情に関してはどんなものが出てきてもOKなんです。というか止められないので…。
思考や行動には理屈が入る余地があるので、彼女のもやもやに対処するとしたら、勝手に湧き上がる、制御できない感情はとりあえず全部認めてあげて、その先の思考や行動で食い止めるぜ!ってやった方がどうにかなる気がしませんか?
 
 
 
そもそも何かに対処するにはまず『認知する=存在を認める』という過程が必要です。トラブルの内容がわからない限りは対処の使用もありません。


診察をしているとたまにとんでもない患者さんにに出くわすことがあります。こっちの言うことは全然聞いてくれず、一方的にクレームを言い続け、まったく感謝の気持ちもほかの患者さんへの配慮もなく、批判的、攻撃的な患者さんですが、特にメンタル系の診察ではその率も高まります。
その攻撃性自体が躁や妄想のような治療対象の症状だったりしますから、他の科のように出禁にして関わらないようにして終わり、ともいかない事情もあります。
 
そういうトラブルリスクの高い精神科医がどういうマインドセットでそういった困った患者さんに対処するんでしょうか?
 
まずは『自分に湧き上がっている感情をありのままに認知する』という作業をします。「あ、自分は今この患者さんのこの言葉に苛立っているな」「正直診たくない…他の病院に行ってくれないかな…と思っているな」といった感じにできるだけあるがままに客観視して、感情の『存在を認めてあげる』わけです。これを、『ダメだ…医療者なんだから患者さんに苛立ってはいけない…!』みたいに自分に聖人を求めだすと多分自分が潰れるでしょうね。
 
その上で「どうしてこの患者さんは私をこういう気持ちにさせるふるまいをするのだろうか?」と患者さんがそうせざるを得ない背景にフォーカスを当てて治療対象ととらえ、アプローチの糸口にします。まあ人によってアプローチのスタイルはかなり違いますが、どのスタイルで行くにしてもまず認知・客観視という過程は重要です。
 
 
まず最初に『認知する=存在を認める』ことで自分にある感情を認め、「こんな感情があるんだなー」と気付いて、そんな感情を抱いている自分もまたよしとする。だってそこはあなたにも止められないですからね。ここを否定するとしんどくなる。

そしてその次に、その感情を『消化=適切に処理する』。
 


一応言っておきますけど、感情は否定しないでいいって言っても、「ぶっ〇してやりたい」って言って本当にぶっ〇したりとか、感情のままに罵詈雑言をそのまま相手に伝えていいかっていうのはまた全然別問題ですよ。

あなたの感情は誰が背負うべきか』という『消化』についての問題になってきますので、そこはまた折を見てテーマにしたいと思います。

 

さ、今日はここまでにしましょう。W杯見ないと…。

 

 

 

症例3 40代女性 スピリチュアル言霊最優先おばさん その①

 

 

こんにちは、洗車した6時間後に降ってきた雨で洗車後キープ時間最短記録を更新したDr.しゅんです。ありがとうございます。これからも最短記録を超えていけるように天気予報は見ないで洗車したいと思います。

 

 

 

https://www.pakutaso.com/shared/img/thumb/011KAZUKIHIRO171011_TP_V1.jpg

 

 

今回の相談者は30代女性、結婚したての夫に手酷い、舐め切ったような浮気をされ、すっかり傷心して地元に帰ってきていました。結婚して相手の地元に行っていたはずの人が一人で地元に戻ってきたので、当然周囲はどうしたどうしたとなりますね。

 

 本人としてはそっとしておいてくれ…という感じですが、全く説明しないわけにもいかず、ことの経緯を何回も話す羽目になるわけです。

 

彼女としては夫の不貞のせいで食事も取れず夜も寝つけず、寝たと思っては嫌な夢で目が覚めてそのまま朝まで嫌なドキドキを感じてとても眠るどころではなくなり、夫を呪う気持ちと自分にも落ち度があったのかと思い悩み情緒不安定になりもう死にたい…とまで思いながら泣き暮らす日々です。

ほんとにむかつくむかつく…出張先で〇ねばいいのに」「ぶっ〇してやりたい」「相手が美人だったらまだいいんだけど、よりによってなんであんなブ〇イクを…」「どうやってSATSUGAIするか考えるときだけ救われる」とか、かわいい顔に似合わない辛辣なワードも言いたくもなります。

 

 

https://tse4.mm.bing.net/th?id=OIP.TafjXSM74wTCE7NdogI4RQHaIw&w=168&h=193&c=7&o=5&dpr=1.25&pid=1.7

 

 

こんな相談というか身の上話を聞いたあなたは何と言うでしょう?

ここで彼女は言霊を大事にするおば…おねえさんにですね、

 

 

ちょっとここで非常にセンシティブな話題に…わたくしは今までの症例で30代男性すら散々おじさん呼ばわりしてきておりますので、ここで当該言霊女性をおばさんと呼ぶことを許してください…フェアにいきたいので…ポリティカル…コレクトネスです。

個人的には40代女性好きなんです。僕の周りにはとっても魅力的な40代女性は何人もいます。その人たちとのデートなんて話になったら平静を装いますが心の中はもう食い気味でOKしてます。というか年齢なんて記号なので別に気にしてないし、マイナンバーと同じ程度の意味合いでしかありません。「マイナンバーの末尾が6以下なのはちょっと無理かな…」なんてのと同レベルです。精神科行ったらどうですかね

 

 

 

話を戻しましょう。その言霊おばさんはこう言うわけです。

言葉には言霊があるからね、そんな汚い言葉や人を罵る言葉を言うと自分に返ってくるよ」と。

 

https://tse1.mm.bing.net/th?id=OIP.OyiO6oVp-rw2BuSh83-4qAHaFn&w=246&h=186&c=7&o=5&dpr=1.25&pid=1.7

 

 

なんとなく説得力がある言葉ですよね。なんか反論しにくい…それもそうかも…こんなこと言ってる自分も醜くて嫌だな…。

そうしてどうなるでしょう。彼女は罵る言葉を封印し、再び眠れない陰鬱で痛々しい夜に帰っていきました。ちゃんちゃん。

 

これでいいんでしょうか?反論しにくいけど…そうかもしれないけど…。

 

言霊界隈がどんなアルゴリズムで動いているか知らないですけどね、はっきり言ってあげましょう。うるせえ。夫には聞こえてねえんだから返ってこねえよ。エビデンス出せよ。

 

そして負の感情がマックス詰まっている状態は『心の便秘だと思ってください。どす黒い負の感情う〇ちがあなたのおなかに詰まりに詰まっています。うっぷ苦しい…しんどい…。
あなたならどうします?どうにかして詰まったう〇ち出しますよね?
でもおばさんの言霊アドバイスは、「そんなう〇ちを出すなんて汚い…飛び散って自分に返ってくるよ。あなたのために出さないほうがいいよ
おばさんはトイレに行かないアイドルでしょうか…?

 

普通考えてデトックスだしコーラックでしょ…最悪浣腸でしょ…出さないでう〇ちが勝手に消えてくれるとでも思ってんのか。

 

というわけでお腹に詰まったう〇ちはちゃんと出してあげた方がいいです。

 

ではどうやって出すか、出す側にも礼儀ってかマナーがあると思いますのでそれについてはその②で。…え、あなたはノールール?ちょっと精神科行ったらどうですかね…?

 

 

 

 

症例2 30代男性 赤ちゃんプレイハイスペおじさん その③

drshunshu.hatenablog.com

  

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その③ですね。その②で改名しましたが同じおじさんです(笑)。

 

ではおじさん分析を踏まえて今後どうすればいいか?

このおじさん、セフレ君の存在を知ってからなぜか燃え上がって、相談者は結婚したいとまで言われてます。

意に沿わないことがあるとブチ切れるのは恐らく治らない、と言いましたが、それを踏まえてそれでも一緒にいてみようかな…というのであれば納得のいくまで関わってみてもいいと思います。

ですがもう縁を切りたい、と思って切り出したらどうなるでしょうか?

 

https://www.pakutaso.com/shared/img/thumb/DANDA170629sa_TP_V.jpg

 

まあどう考えてもブチ切れますよね。大炎上でしょう。

ここは赤ちゃんプレイおじさんの危機です。やばい、自分の意見に反論されてる…ワガママが通らなくなるかもしれない。ということでいつもより余計にブチ切れますよ~暴力も振るいますよ~。ほんとなんでもします。

そして決めゼリフ『俺をキレさせるお前が悪いんだぞ』。

これで本人的には自分の行為は正当化されるので。

必要以上に他責的(その①参照)ですべてをあなたのせいにしてくるのも、そう解釈した方が堂々と自分のワガママを通しやすいからです。本人に自覚はないでしょうが。

 

ワンちゃんの躾(しつけ)をするときは、ワンちゃんが望ましくない行動をしたときは褒めない、ご褒美を与えないなどのワンちゃんが喜ばないような反応をします。そうするとワンちゃんはその行動をすると嫌なことが起こるな…と学習し、次第にその行動をとらなくなります。

この飼い主→ワンちゃんへの影響をネガティブフィードバックと言いますが、あなたはこんな感じでおじさん好みに躾されてるようなものです

そのフィードバックの手段の一つ一つが暴言であり、暴力であり、または軽い不機嫌や、最終的には懇願や泣き落としなんかも出てくるでしょう。形は色々ですが、目的は一つ、自分のワガママを通すことです。

 

 

なので赤ちゃんプレイおじさんがブチ切れしそうな話をしないといけないときには、絶対に二人きりで解決しようとしないことです。物理的に距離があるなど安全が確保できるなら音信不通もありかもですが、友達でも家族でも警察でも弁護士でも、誰か三者を交えましょう

あなたの安全を図るという意味もありますが、おじさんは外ヅラを非常に大事にしているので、人目があると冷静おじさんになりやすいからという意味もあります。

 

別れたいと心を決めているならば、たとえ家まで突然やってきて、ドアをどんどん叩いて開けろ!と騒いでいても、『近所迷惑だからやめてよ…分かった、開けるから静かにして』としては絶対にダメです。

 

その『もう言うこと聞いちゃったがラクだな…』と思わせるのがが赤ちゃんプレイおじさんの(自覚はないですが)作戦なんです。自分のワガママを通すのが目的であって、そのために暴力まで使うくらいだから、ほかにも手段を選ばずあの手この手であなたを諦めさせようとしてきます。

開けたが最後、密室に二人きりなら暴力でも暴言でもやりたい放題です。

なんてったっておじさんはワガママが通るか否かの瀬戸際ですから、全力であなたの抵抗を潰そうとしてきます。玄関で騒いでても放っておくか、最後は警察を呼んでください。

 

 

では絶対に諦めないとして、このグレードアップしたよりハードな赤ちゃんプレイがいつまで続くのか?

 

それはおじさんの中であなたに対して執着してワガママを通そうとすることのコスト(ワガママを通す大変さ)とベネフィット(ワガママが通ることによる満足)が

コスト>ベネフィット

となるまでです。おじさんは本来我慢しようと思えばできるので、おじさんの中で『もう頑張っても無駄だな…』となったらあっさり終わります。

 

そもそもおじさんが結婚したいって言ってきたのはセフレ君の存在を知って嫉妬してるだけで、愛情じゃなくて執着なので…別にあなたのことは見てませんよ。

なのでおじさんの中で『あなたに執着する』ということは実はそこまでベネフィットは大きくないのです。

今まではワガママが元々通っていてコストが小さかっただけですので、コスト>ベネフィットとなった時点でスパッと来なくなります。

その程度のものですし、要はそれまでの我慢です。

 

 

 

長くなりましたので最後にまとめましょうか。

特に大事な点は

 

・ブチ切れおじさんは実はイライラを我慢できる、けどしないだけ

・赤ちゃんのコミュニケーション法と基本的に同じ

・『俺を怒らせるお前が悪い』『愛しているからこそ』と言ってくるがそれも作戦のうちなので騙されない

・暴言、暴力、泣き落としも全てワガママを通すための作戦なので騙されない

・たぶん今後も変わらない(おじさんに変わるメリットがない)

・離れようとすると一時的にブチ切れは悪化する、が諦めるとすっと離れるのでそれまでの我慢

 

あたりでしょうか。

ハイスペにはまあまあいると思いますし、外ヅラはいいのでかなり親しくなるまで分からないと思いますので、皆さん気を付けてくださいね。

 僕ですか?僕は赤ちゃんプレイより気持ちよくなっちゃってごめんなさいと言わせ続ける謝罪プレイの方が好きなので大丈夫です。おっぱい。