症例9 進路に悩む美女看護学生
大変遅くなりました…うまく入れなくなっておりまして…。
この質問者さんがすでに進路変更してないといいんですが…
PEINGからの質問です。
勝手に「美女」を追加しましたが、これは文面からにじみ出る美女感を先生が(勝手に)言語化したものです。性別も書いてないですが間違いなく美女です。鼻の下を伸ばさないように気を付けながら答えていきたいと思います(ハアハア)。
看護師という進路に向けて進み始めているみたいですが、周囲からの期待が大きくてしんどいけど期待されないのも嫌だという…思春期っぽい若さに溢れていていいですねえ。
ただこの方、そもそもあんまり看護師という進路納得してないですよね?笑
なんとなく誰かに勧められたか、自分で少しいいなと思って言ってみたら周囲がとても喜んでくれた…そんな感じじゃないかなと思いますがどうでしょう?
本当に自分で納得していたら周囲の声がどうとか気にならないはずなんですよ。
なので周囲の期待の強さがどうというよりは、自分で納得できていないということの方が問題なんですよね。
ただですね、たかだか18歳の社会にも出ていない子どものうちに、今後何十年と続けるかもしれない職業を決めなさいと言われても普通決められないですよ。
だってしたことないんだからどんな仕事かなんておぼろげなイメージ程度しか持てないし、そもそも社会にはどんな仕事があって、どんな勤務体系で休みはどれくらいあって、どれくらいの責任を持たされてどんなリスクがあって、年収はどれくらいで、そして実際年収はどれくらいあったらどの程度の生活ができるのか、なんて分かるわけないんですよ。
先生も精神科医になるつもりは研修医終わるギリギリまで全くなくて外科とか小児科とか考えてましたし、医学部受験をする時点ではDr.コトーに憧れて離島医療に携わりたいとか思ってましたからね。
精神科が実際どんな仕事かも研修では回ってみるまではっきりとは分かってませんでしたし、科ごと、病院ごとの給料がこんなに違うってのもかなり後になるまで知りませんでした。
医学部に限らずそういった進路を決めるために不可欠な情報が、かなり後になって初めて分かる、ってのは往々にしてあることなんですよね。
医師の場合は進路を決めるのは自分のタイミングです。嫌だと思ったら研修医終了後も専門科や病院を変えることは(面倒な場合もありますが)できなくはないので取り返しは可能ですが、学部の選択や一般企業に就職後にこれじゃなかった…となるのは悲しい話ですよね…。
なので進路に迷っている人へのアドバイスとしては二つ。
一つはそもそも後悔しないために『徹底的に調べなさい』。
まず自分がどういう生活をしたいのか。海外で働きたい、都会に住みたい、余暇を楽しみたい、趣味を活かしたい、育児や家庭中心にしたいなど、まずは希望の生活スタイルを探すことが最初です。
人生哲学というと大仰ですが、人生で何を求めたいのか。それに近いものをある程度持っていた方がいいです。
そして次にそれに合った働き方、収入がある仕事は何か?で絞っていく。
もちろんどんな仕事が世界にはあるのか、その知識は多いほど選択肢も広がります。
学生向けの職業案内の本やサイト、転職サイトなどを見ると年収や働き方はある程度分かります。進路相談の担当者に色々聞いてみるのもいいかもですね。
それでも生きていくうちに人生に求めるもの自体が変わっていくこともありますので後悔しない保証はないですが、少なくともその確率を減らせますし、そこで得た知識は今後絶対に役に立ちます。
もう一つは、どれだけ考え抜いても人生に変化はつきもの、という観点から『迷ったときは選択肢が多く残る方を選びなさい』ということです。
例えば自分が何をしたいのかまだはっきり分からなくて、でもそれなりに収入は必要そうで、調べたら高卒と大卒では大卒の方が平均収入が多い、そして経済的には進学できるというのであればとりあえず役に立つ可能性の高い大学に進学しましょう。
18歳のころに最大限調べて考えて決めたことだとしても、やっぱり気持ちが変わることはあります。そこはもう認めちゃって、最大限どう転んでも大丈夫な備えをしておくことが重要です。
なので今回のケースで言えば、この美女が本当に看護師という仕事が一生楽しんでできる保証はないです。
ですが少なくとも国家資格であり一度取ったら無くならないこと、比較的高給なこと、全国どこにでも求人があり退職・再就職も容易で希望に合った働き方を求めやすいことなどから、『迷ったら看護師』というのは悪くないと思います。
中国の『菅子』という古い書物の中に『衣食足りて礼節を知る』という言葉があります。
「人間はまずは衣食住が満たされて、初めて礼儀や優しさを持つ余裕が出てくる」という意味ですね。これはほんとその通りです。人に優しくしたいなら、自分に余裕がないといけません。
『レ・ミゼラブル』のジャンだって家族の明日のパンにも困って盗みを犯してしまい、19年も監獄に入れられることになったのです。
まずは衣食住を安定させることはとても大事なことです。
こういうと「そんな自分の都合だけで人の命に関わる仕事について欲しくない」とかいうクソリプが湧いてきそうですが、はっきり言って志望当初のモチベーションと実際の仕事のクオリティはあまり相関しません。
当初から意識高い看護師が後輩をいびりまくって大量に辞めさせるお局になったり、なんとなく看護師になった人が優しくてとてもいい看護師さんになってたりします。
医師もそうですけど、成績優秀だけど「自分が正しい!」と独りよがりな危ない診療したり心無い言葉を吐く医師がいる一方で、私大医学部にぎりぎり入って飲み会と麻雀に明け暮れ留年しまくった人が凄腕の外科医になってたり。
これは動機よりも適性の問題なので…分からないもんですよ。
なのでそんな騒音は気にしないでいいです。
よっぽど別に進みたい進路があるならばそれもよいと思いますし、はっきり分からないなら安定したり変更がきく進路を選んでおきましょう。
ちなみに現在先生の秘書を募集しています。ノリが良くてタイトな服を着てくれる美女がいればご連絡ください。
内容は先生のスケジュール管理とAmazonの発注と頻回のセクハラに耐えるくらいの簡単な業務です。あとはTバック必須なくらいで学会にも連れていきますしおススメですよ?どうですか??