症例3 40代女性 スピリチュアル言霊最優先おばさん その②
お久しぶりです、Dr.しゅんです。
更新が久しぶりになってしまいました。考えていることをまとまった形で、論理的整合性や構成なども考えて文章にするのはなかなかエネルギーを食いますね…
しかも医療的見解を踏まえるとなると間違ったことも書けないというプレッシャーもあります。おっぱいとかちょっと簡単には言えませんよね…はぁ…おっぱい…。
ただ精神科はいろんな誤解があったり、こうしたらいいのに…と思うことが多々ある分野でもあります。質問箱にも質問いただいているので、きちんと読んだ甲斐のある記事を更新していきたいと思います。気長にお待ちいただければ幸いです。
↓前回記事はこちらです。
今回の相談者は30代女性、結婚したての夫に手酷い、舐め切ったような浮気をされ、すっかり傷心して地元に帰ってきていました。
夫の不貞のせいで食事も取れず、夜も寝つけず、夫を呪う気持ちと自分にも落ち度があったのかと思い悩みもう死にたい…とまで思いながら泣き暮らす日々です。
「ほんとにむかつくむかつく…出張先で〇ねばいいのに」「どうやってSATSUGAIするか考えるときだけ救われる」なんて考えますが、言霊を大事にするおばさんに『汚い言葉を吐くと自分に返ってくるよ』と言われてどうしたらいいか分からなくなります。
ごっちゃになりがちですが、感情と思考は明確に区別する必要があります。平たく言えば感情は理屈で説明できない部分、思考は理屈で説明できる部分です。
この場合は『ぶっ〇してやりたいくらい憎い気持ち』が感情で、『不倫の報復としてSATSUGAIは妥当か否か…?』が思考です。
感情は論理的思考を経ないで湧き上がってくるものなので、発生自体を止めることはできません。
お化け屋敷が怖いと言っている人に「怖いと思わなければいいんだよ!(≧▽≦)」と言っているレベルには言霊おばさんはムチャ振りです。
思考&その先の行動に関してはルールも必要ですが、 感情に関してはどんなものが出てきてもOKなんです。というか止められないので…。
思考や行動には理屈が入る余地があるので、彼女のもやもやに対処するとしたら、勝手に湧き上がる、制御できない感情はとりあえず全部認めてあげて、その先の思考や行動で食い止めるぜ!ってやった方がどうにかなる気がしませんか?
そもそも何かに対処するにはまず『認知する=存在を認める』という過程が必要です。トラブルの内容がわからない限りは対処の使用もありません。
診察をしているとたまにとんでもない患者さんにに出くわすことがあります。こっちの言うことは全然聞いてくれず、一方的にクレームを言い続け、まったく感謝の気持ちもほかの患者さんへの配慮もなく、批判的、攻撃的な患者さんですが、特にメンタル系の診察ではその率も高まります。
その攻撃性自体が躁や妄想のような治療対象の症状だったりしますから、他の科のように出禁にして関わらないようにして終わり、ともいかない事情もあります。
そういうトラブルリスクの高い精神科医がどういうマインドセットでそういった困った患者さんに対処するんでしょうか?
まずは『自分に湧き上がっている感情をありのままに認知する』という作業をします。「あ、自分は今この患者さんのこの言葉に苛立っているな」「正直診たくない…他の病院に行ってくれないかな…と思っているな」といった感じにできるだけあるがままに客観視して、感情の『存在を認めてあげる』わけです。これを、『ダメだ…医療者なんだから患者さんに苛立ってはいけない…!』みたいに自分に聖人を求めだすと多分自分が潰れるでしょうね。
その上で「どうしてこの患者さんは私をこういう気持ちにさせるふるまいをするのだろうか?」と患者さんがそうせざるを得ない背景にフォーカスを当てて治療対象ととらえ、アプローチの糸口にします。まあ人によってアプローチのスタイルはかなり違いますが、どのスタイルで行くにしてもまず認知・客観視という過程は重要です。
まず最初に『認知する=存在を認める』ことで自分にある感情を認め、「こんな感情があるんだなー」と気付いて、そんな感情を抱いている自分もまたよしとする。だってそこはあなたにも止められないですからね。ここを否定するとしんどくなる。
そしてその次に、その感情を『消化=適切に処理する』。
一応言っておきますけど、感情は否定しないでいいって言っても、「ぶっ〇してやりたい」って言って本当にぶっ〇したりとか、感情のままに罵詈雑言をそのまま相手に伝えていいかっていうのはまた全然別問題ですよ。
『あなたの感情は誰が背負うべきか』という『消化』についての問題になってきますので、そこはまた折を見てテーマにしたいと思います。
さ、今日はここまでにしましょう。W杯見ないと…。
症例3 40代女性 スピリチュアル言霊最優先おばさん その①
こんにちは、洗車した6時間後に降ってきた雨で洗車後キープ時間最短記録を更新したDr.しゅんです。ありがとうございます。これからも最短記録を超えていけるように天気予報は見ないで洗車したいと思います。
今回の相談者は30代女性、結婚したての夫に手酷い、舐め切ったような浮気をされ、すっかり傷心して地元に帰ってきていました。結婚して相手の地元に行っていたはずの人が一人で地元に戻ってきたので、当然周囲はどうしたどうしたとなりますね。
本人としてはそっとしておいてくれ…という感じですが、全く説明しないわけにもいかず、ことの経緯を何回も話す羽目になるわけです。
彼女としては夫の不貞のせいで食事も取れず、夜も寝つけず、寝たと思っては嫌な夢で目が覚めてそのまま朝まで嫌なドキドキを感じてとても眠るどころではなくなり、夫を呪う気持ちと自分にも落ち度があったのかと思い悩み情緒不安定になりもう死にたい…とまで思いながら泣き暮らす日々です。
「ほんとにむかつくむかつく…出張先で〇ねばいいのに」「ぶっ〇してやりたい」「相手が美人だったらまだいいんだけど、よりによってなんであんなブ〇イクを…」「どうやってSATSUGAIするか考えるときだけ救われる」とか、かわいい顔に似合わない辛辣なワードも言いたくもなります。
こんな相談というか身の上話を聞いたあなたは何と言うでしょう?
ここで彼女は言霊を大事にするおば…おねえさんにですね、
ちょっとここで非常にセンシティブな話題に…わたくしは今までの症例で30代男性すら散々おじさん呼ばわりしてきておりますので、ここで当該言霊女性をおばさんと呼ぶことを許してください…フェアにいきたいので…ポリティカル…コレクトネスです。
個人的には40代女性好きなんです。僕の周りにはとっても魅力的な40代女性は何人もいます。その人たちとのデートなんて話になったら平静を装いますが心の中はもう食い気味でOKしてます。というか年齢なんて記号なので別に気にしてないし、マイナンバーと同じ程度の意味合いでしかありません。「マイナンバーの末尾が6以下なのはちょっと無理かな…」なんてのと同レベルです。精神科行ったらどうですかね?
話を戻しましょう。その言霊おばさんはこう言うわけです。
「言葉には言霊があるからね、そんな汚い言葉や人を罵る言葉を言うと自分に返ってくるよ」と。
なんとなく説得力がある言葉ですよね。なんか反論しにくい…それもそうかも…こんなこと言ってる自分も醜くて嫌だな…。
そうしてどうなるでしょう。彼女は罵る言葉を封印し、再び眠れない陰鬱で痛々しい夜に帰っていきました。ちゃんちゃん。
これでいいんでしょうか?反論しにくいけど…そうかもしれないけど…。
言霊界隈がどんなアルゴリズムで動いているか知らないですけどね、はっきり言ってあげましょう。うるせえと。夫には聞こえてねえんだから返ってこねえよ。エビデンス出せよ。
そして負の感情がマックス詰まっている状態は『心の便秘』だと思ってください。どす黒い負の感情う〇ちがあなたのおなかに詰まりに詰まっています。うっぷ苦しい…しんどい…。
あなたならどうします?どうにかして詰まったう〇ち出しますよね?
でもおばさんの言霊アドバイスは、「そんなう〇ちを出すなんて汚い…飛び散って自分に返ってくるよ。あなたのために出さないほうがいいよ」
おばさんはトイレに行かないアイドルでしょうか…?
普通考えてデトックスだしコーラックでしょ…最悪浣腸でしょ…出さないでう〇ちが勝手に消えてくれるとでも思ってんのか。
というわけでお腹に詰まったう〇ちはちゃんと出してあげた方がいいです。
ではどうやって出すか、出す側にも礼儀ってかマナーがあると思いますのでそれについてはその②で。…え、あなたはノールール?ちょっと精神科行ったらどうですかね…?
症例2 30代男性 赤ちゃんプレイハイスペおじさん その③
その③ですね。その②で改名しましたが同じおじさんです(笑)。
ではおじさん分析を踏まえて今後どうすればいいか?
このおじさん、セフレ君の存在を知ってからなぜか燃え上がって、相談者は結婚したいとまで言われてます。
意に沿わないことがあるとブチ切れるのは恐らく治らない、と言いましたが、それを踏まえてそれでも一緒にいてみようかな…というのであれば納得のいくまで関わってみてもいいと思います。
ですがもう縁を切りたい、と思って切り出したらどうなるでしょうか?
まあどう考えてもブチ切れますよね。大炎上でしょう。
ここは赤ちゃんプレイおじさんの危機です。やばい、自分の意見に反論されてる…ワガママが通らなくなるかもしれない。ということでいつもより余計にブチ切れますよ~暴力も振るいますよ~。ほんとなんでもします。
そして決めゼリフ『俺をキレさせるお前が悪いんだぞ』。
これで本人的には自分の行為は正当化されるので。
必要以上に他責的(その①参照)ですべてをあなたのせいにしてくるのも、そう解釈した方が堂々と自分のワガママを通しやすいからです。本人に自覚はないでしょうが。
ワンちゃんの躾(しつけ)をするときは、ワンちゃんが望ましくない行動をしたときは褒めない、ご褒美を与えないなどのワンちゃんが喜ばないような反応をします。そうするとワンちゃんはその行動をすると嫌なことが起こるな…と学習し、次第にその行動をとらなくなります。
この飼い主→ワンちゃんへの影響をネガティブフィードバックと言いますが、あなたはこんな感じでおじさん好みに躾されてるようなものです。
そのフィードバックの手段の一つ一つが暴言であり、暴力であり、または軽い不機嫌や、最終的には懇願や泣き落としなんかも出てくるでしょう。形は色々ですが、目的は一つ、自分のワガママを通すことです。
なので赤ちゃんプレイおじさんがブチ切れしそうな話をしないといけないときには、絶対に二人きりで解決しようとしないことです。物理的に距離があるなど安全が確保できるなら音信不通もありかもですが、友達でも家族でも警察でも弁護士でも、誰か第三者を交えましょう。
あなたの安全を図るという意味もありますが、おじさんは外ヅラを非常に大事にしているので、人目があると冷静おじさんになりやすいからという意味もあります。
別れたいと心を決めているならば、たとえ家まで突然やってきて、ドアをどんどん叩いて開けろ!と騒いでいても、『近所迷惑だからやめてよ…分かった、開けるから静かにして』としては絶対にダメです。
その『もう言うこと聞いちゃったがラクだな…』と思わせるのがが赤ちゃんプレイおじさんの(自覚はないですが)作戦なんです。自分のワガママを通すのが目的であって、そのために暴力まで使うくらいだから、ほかにも手段を選ばずあの手この手であなたを諦めさせようとしてきます。
開けたが最後、密室に二人きりなら暴力でも暴言でもやりたい放題です。
なんてったっておじさんはワガママが通るか否かの瀬戸際ですから、全力であなたの抵抗を潰そうとしてきます。玄関で騒いでても放っておくか、最後は警察を呼んでください。
では絶対に諦めないとして、このグレードアップしたよりハードな赤ちゃんプレイがいつまで続くのか?
それはおじさんの中であなたに対して執着してワガママを通そうとすることのコスト(ワガママを通す大変さ)とベネフィット(ワガママが通ることによる満足)が
コスト>ベネフィット
となるまでです。おじさんは本来我慢しようと思えばできるので、おじさんの中で『もう頑張っても無駄だな…』となったらあっさり終わります。
そもそもおじさんが結婚したいって言ってきたのはセフレ君の存在を知って嫉妬してるだけで、愛情じゃなくて執着なので…別にあなたのことは見てませんよ。
なのでおじさんの中で『あなたに執着する』ということは実はそこまでベネフィットは大きくないのです。
今まではワガママが元々通っていてコストが小さかっただけですので、コスト>ベネフィットとなった時点でスパッと来なくなります。
その程度のものですし、要はそれまでの我慢です。
長くなりましたので最後にまとめましょうか。
特に大事な点は
・ブチ切れおじさんは実はイライラを我慢できる、けどしないだけ
・赤ちゃんのコミュニケーション法と基本的に同じ
・『俺を怒らせるお前が悪い』『愛しているからこそ』と言ってくるがそれも作戦のうちなので騙されない
・暴言、暴力、泣き落としも全てワガママを通すための作戦なので騙されない
・たぶん今後も変わらない(おじさんに変わるメリットがない)
・離れようとすると一時的にブチ切れは悪化する、が諦めるとすっと離れるのでそれまでの我慢
あたりでしょうか。
ハイスペにはまあまあいると思いますし、外ヅラはいいのでかなり親しくなるまで分からないと思いますので、皆さん気を付けてくださいね。
僕ですか?僕は赤ちゃんプレイより気持ちよくなっちゃってごめんなさいと言わせ続ける謝罪プレイの方が好きなので大丈夫です。おっぱい。
症例2 30代男性 ブチ切れハイスペおじさん その②
前回の続きです。その①は上のリンクから。
症例2【たまにブチ切れハイスペおじさん】
いいところ
・ハイスペ
・仕事では好評価
・基本的には優しい
悪いところ
・たまにブチ切れる
・暴力もある
その①ではその人たぶんあなたにキレる癖は治らないよ!だってそのままの方がラクだから!ということを伝えました。
自分の思い通りにならないことに耐えるというのはそれなりに精神の発達を必要とします。
赤ちゃんの頃は誰でも何か少しでも気に食わないと泣きます、ひたすら泣いて暴れまくります。ですがそれが普通です。
そんな赤ちゃんも大きくなるにつれて少しずつメンタルも成長し、気に食わないことがあっても泣かずに暴れずにぐっと我慢したり、振り返って反省や改善をすることができるようになっていきます。
大人になるということは、自分の欲求を我慢したり、思い通りにならないことを受け入れられるようになる、ということです。
そういった意味では思い通りにならないとキレる人は、赤ちゃんレベルのコミュニケーションを取っていると言えますね。赤ちゃんプレイおじさんです。
要するに幼稚なんですね。
この赤ちゃんプレイおじさんの場合は(深層心理では)分かってやってるので限られた場面でしか出てこないんですけど、これが『キレると自分でも訳分かんなくなって暴れまくる』タイプはまた少し違います。
そういう人は何に対しても誰に対してもキレます。まあDQNのイメージですね。
こっちの人は場面に関係なくキレて暴れてあちこちでトラブルを起こしますのでハイスペ界隈にはまずいません。
こういった人たちは脳の発達的にそもそも不快な気分を我慢する(衝動統制)能力が欠如していることが多いので、医学的な対策としても衝動性を抑える薬を飲み続けてもらうくらいしかありません…。周囲の人としては許容範囲の中でしか関わらない、と距離を置くしかないでしょう。
IQも人によってばらつきがある(つまり知能にばらつきがある)のと同じように、衝動統制の能力も皆が同じレベルで持っているわけではないのです。
衝動統制に関してマシュマロ・テストという有名な実験があります。
スタンフォード大で40年以上前に行われた古い実験ですが、4歳の子供の前にマシュマロを置いて、『今そのマシュマロを食べてもいいけど、15分我慢できたらもう一つあげるよ』と言ってその場を離れて、果たして子どもたちは我慢できるのか?という実験です。
最終的に15分間我慢して2個目のマシュマロを手に入れたのは3割程度だったそうです。実はこの実験は『マシュマロに飛びつくのを我慢できた子どもほど将来社会的に成功しやすい』という結果も示して有名になりましたが、同じ4歳児でも衝動統制の能力は人によってばらつきがあるということが分かります。
これはひとえに脳の発達によるものなので、例えば交通事故や脳梗塞で脳の特定の部位にダメージがある(高次脳機能障害)と、知能は変わらないのに今まで穏やかで我慢強かった人が突然赤ちゃんのようにだだをこねるようになったりします。
というわけでとりあえずたまにぶち切れハイスペおじさんはたまに赤ちゃんプレイハイスペおじさんに改名しましょう。よりヤバさがはっきりしてきました。
ではそれを踏まえて具体的に今後どうすればいいか?
次回に続きます。
症例2 30代男性 ぶち切れハイスペおじさん その①
こんにちは、GWは満喫してますか?むせ返る人人人…で消耗してませんか?
僕はGW、お盆、年末年始はだいたい仕事してます。人混みとか渋滞とか苦手なので…よっぽど快適に過ごせる準備ができてない限りは大人しく働いといて、代わりに平日に休みもらって遊びに行く派です。
ところで今日はどういったご相談でしょうか?
なるほど、あなたは未婚で、数か月前からむにゃむにゃな関係になった男性がいて、その人は既婚者だったと。そしてその男性はいわゆるハイスペな方なんですね。
こっちも奪いたいとか家庭壊したいとかではなかったからほどほどの距離感にいて、美味しいご飯とかちょっとしたプレゼントなんかをもらっていたと。
自分にも他の体の相性のいいセフレ君がいて、相手も既婚だしまあいいかと軽く考えていたのに、あるときスマホを盗み見られてそのいちゃいちゃなやり取りを見られてしまったらハイスペが死ぬほどキレて、殴られるわ壁に穴開けるわで、スマホも取り上げられて勝手にセフレ君との写真も連絡先も消されたんですか。
でそれから突然束縛が強くなって、スマホは常時チェックされるわ、何かあったらすぐブチ切れて暴力振るわれるようになったと…。
それから今の奥さんとはもう別居中だからと結婚したいとまで言われているんですか。で自分としてもそろそろ結婚したいし、まあハイスペだし、普段はむしろ穏やか人だし、職場では評価もいいし、ちょっと我慢すれば悪くないかなあと迷っていると。
なるほどねー、いったんまとめましょう。
症例2【たまにブチ切れハイスペおじさん】
いいところ
・ハイスペ
・仕事では好評価
・基本的には優しい
悪いところ
・たまにブチ切れる
・暴力もある
まずですね、その人の何かあったらあなたにキレる癖、たぶん治りませんよ。
だって分かってやってますもん。同じキレる人でも『キレると頭が真っ白になって何するか分からない』ヤバいタイプとは違います。
その人はイライラを本当は我慢しようと思えばできるんです。
敢えてしてないだけ。
それはハイスペであること、職場では好評価ってのから分かります。まずところ構わずキレるような人はそもそもハイスペにはなれません。ハイスペになる過程では忍耐力が絶対に必要ですから。
職場で同じくらいイライラすることがあっても我慢できるはずですし、例えばあなた相手にブチ切れ真っ最中に取引先から電話がかかってきたら、コロッと声色変えて穏やか~に対応できますよね?
その人はブチ切れるのを自分のワガママを通すための手段に使っているんです。
本人もそこまで自覚しているわけではないとは思いますが、その人の脳は今までの経験的に
『ブチ切れて暴力振るうと、冷静な話し合いでは通らない自分のワガママが通るじゃーん!めっちゃ楽~ \(^o^)/ 』
という学習をすでにしてしまっています。
そしてその人…ブチ切れるときは『俺をこんなにキレさせるお前が悪い』って言いませんか?
何かの原因を自分に求める傾向を自責(じせき)、逆に他者に求める傾向を他責(たせき)と言いますが、これはどちらにかたより過ぎても健康的ではありません。
このおじさんはこれが他責にスーパー振り切れてますので、反省というものは基本的にありません。
これには否認というメカニズムも働いてます。いや避妊じゃないです。
本当にそう思っているというよりは、自分のせいと思うと思いっきりブチ切れられないんで、『相手が悪いのだ、だからこれくらいキレてもよいのだ』ということにしておきたいのです。たぶん自覚はなくて、本当にそう思っているような口ぶりでしょうけど。
※この否認のメカニズムが働いているかどうかは『知人の話として考えてみる』と分かります。詳細はニーズがあればまた別の機会に。
なのでその癖を治すには
まずは本人がその学習に気が付いて、このままではいけないと己を律する苦しい練習(長くなるので詳細は割愛)を続けないといけません。
でもその人そんなことしてくれますか?
だって職場や友人に対しては穏やかにできていて何の問題もないし、あなたとの都合の悪い話にはブチ切れた方が自分のワガママ聞いてくれるんですよ?
自分を変える、しかも自由を制限する方に変えるのは誰しもしんどいです。わざわざそんなつらい思いして自分を変えるより、あなたにそんな指摘をされたらぶち切れて怖がらせて黙らせた方が楽じゃないですか?
だから基本そういう人は治りません。見切りつけてさっさと離れるか、暴力振るわれながら変えようとけなげに努力するか、一生いざとなったらブチ切れる、建設的な議論はできない人だと覚悟の上で関わっていくしかないでしょうね。
ちょっと長くなったのでいったん切りましょう。その②へ続きます。
症例1 Y口メンちゃん
こんにちは、今日はどうされましたか?
お名前は?Y口メンバーさん?ならメンちゃんにしときましょう。
なるほど…お酒に酔って女子高生になんやかんやしてしまったと…。
既往歴は…ほかの病院でアルコール依存の治療を行っていたんですね。
で1か月入院して退院当日に焼酎1本空けて女子高生呼んでキスを迫ったんですか。それで「何もしないなら帰れ!」て言っちゃったんですか…。
お酒に酔った状態はいわゆる”酩酊”状態ですね。今回はより強い変化が出てくる複雑酩酊だったのでしょう。
お酒には「脱抑制」という作用があります。要するに普段かかっている抑制を取るということで、その人が隠していた部分が表に出てきますので、表では朝から爽やかに「〇ップ♡」とか言いながらほんとは女子高生の◯ップ♡にどちゃくそやらしいことしたい…って思ってたんですよ!!
あれ…?普通じゃん…?
診察室で「そうなんですね…それはつらかったですね…」とか言いながら今度デートする子にTバックはかせて人のいないところでどちゃくそケツ叩いててやりたいなーとか考えてる我々と一緒じゃん…?おっとお口がすべりましあsがだsdg
思っててもいいんですよ、それはまあ男として普通のことだから。
実は普通じゃなくても思ってていいんですけど、それはまた別の機会に話しましょう。
でも実行しちゃダメですよ。そもそもなんでJKならダメなのかというのには賛否あるので置いときますけど、ダメです。
酩酊するとどういう反応が出るのかは人によってパターンがあります。メンちゃんの場合は飲酒するとたぶん同じことになるでしょうし、飲み始めたら止められないだろうからもう完全な断酒しかないでしょうね。つらいと思うけど。
アルコール依存症の治療と、覚醒剤などの違法薬物の依存症はどっちが治療が大変なのか?ですか。それは恐らくアルコール依存症の方ですね。
まず何をもって依存症の治癒したと言えるか?
「飲まない」状態を持続していることがゴールなので、基本的に一生終わりません。
なのでほしいと思った時に「手に入れるハードルの高さ」が重要になるのです。
アルコールはどこでも売ってるので覚醒剤よりも簡単に手に入ります。
要するにめっちゃ空腹で、目の前に美味しそうなご飯が並んでいるのにそれは罠で、食べたらはいアウトー!!な状態だからです。考えるだけでつらい…。
それなら目の前に食べるものなんて何もない方がまだましですよね。
断酒すると今まで頼っていた依存先がなくなる訳なので、それに代わるものがないと容易に目の前にあるアルコールについ1杯だけ…と手を伸ばしてしまうのです。
それにしても…擁護する女性の意見もTwitter上ではたくさんあるんだから、相手を選べばいくらでも◯ップにやらしいことさせてくれる人がいたんじゃないですか?
なんでわざわざ女子高生とかハイリスクなとこにいっちゃったんですかね?
おそらく今まで同じようなことをしても、結局大ごとになることなく楽しい思いをしてきたのでしょう。
藤沢数希氏が言っているように、これは「結局メンちゃんも女性から拒絶されるキモいおっさんに過ぎなかった」ではなく、むしろ過去にたくさんの成功体験があったからこそ、逆にこんなに雑でハイリスクな行動も”許されるだろう”という甘え、驕り(おごり)があったのだと思います。
トキオの山口さんでも女子にキモがられるんだから、おっさんはうんぬん…、みたいな話がTLを賑わせているかが、それはぜんぜん違うと思う。むしろ、逆。トキオの山口さんは、おっさんでも、あんな感じでアイドル級のティーンズと何回も成功体験があるから、サインを見誤って突っ込んだんだと思うよ。
— Kazuki Fujisawa (@kazu_fujisawa) 2018年4月27日
まさに「勝って兜の緒を締めよ」。なので今回はメンちゃんがおじさんかどうかはあまり問題ではありません。若くてもおじさんでも、モテているゲスな人は気を付けましょう。
飲酒の問題は世間からも一定の同情はあるかもしれません。ですがこの”驕り”にはさすがに同情の余地は乏しいでしょう。
次から喜んでちゅーさせてくれて被害届を出さない成人女性を探しましょう。
治療方針は…うーん、「何もしないなら帰れ!」が今年の流行語大賞に選ばれたらメンちゃんを許してもらうとかどうですか?
今度僕も使って、世間に広めてみますね。は?うちのクリニック受診しといておっぱい検診を受けたくない?何もしないなら帰れ!!!
初診時あいさつ
初めまして、Dr.しゅんです。
世の中にはゲスをこじらせ過ぎて難治化し、日常生活が大きく制限され、やがて社会的死に至る方が多くいます。ゲスは致死的な病であり、社会的損失が大きいものなのです。
あなたは大丈夫ですか?
実はかく言う僕も…その…こじらせてましてね、ゲスってやつをですよ。
もう発症して何年ですかね…幼少時は隙あらば本を読み漁り知識を蓄え、臥竜が雌伏するがごとく、将来は海外に羽ばたいて地球の環境保全に貢献するんだ!なんて考えてたんですけどね。
ふと気が付けば場末のクリニックで、不倫がバレて追い詰められて記憶喪失になったおじさんの話を聞いてますよ。なんでですかね?
まあアイスブレイクはそんな感じです。
よろしくお願いしますね。
ゲスの定義?そんなんこれから考えます。診断基準とか。
リメンバーミー観た感想を書きたくて完全に見切り発車で始めてますので…。